スペイン放浪記①~サグラダファミリア~
2016年1月、カタルーニャの空は晴れわたっていました。
青空にグンと伸びていく尖塔。ゴツゴツした歪な壁面。
ラピュタ?洞窟を思わせる外面のレリーフには祈りを捧げる聖母マリアがいました。
高さ172m。建築家アントニー・ガウディの未完作品であり、スペインを代表する世界遺産サグラダファミリアです。
サグラダ・ファミリアは当初、贖罪教会(信者の喜捨により建設する教会)として計画され、初代建築家フランシスコ・ビリャールが無償で設計を引き受けました。
その後を引き継いで2代目建築家に就任したのが、ガウディです。そうです、これは教会なんです。
1882年に着工し、まだ未完成というとんでもない教会です。
2026年に完成予定ということですが、果たして完成するのでしょうか。
日本の彫刻家、外尾悦郎さんが主任彫刻家として携わっているから大丈夫でしょう。
外壁は聖書の物語を表しています。やはり教会なんだと思いました。
内部は独創的なデザインに目を奪われ、教会という感じはしませんでした。
しかし、ちゃんと礼拝できる教会です。
三つある出入り口の真ん中には、重そうな扉がありました。 ここには8000の文字が刻まれているようです。このブロンズ製の扉自体が聖書の一ページを表現しています。
不思議なものをみつけました。これは、どの方向でも数字の合計が33になる魔法陣です。数字の合計が33になっているのは、キリストが磔にされたときの年齢が33歳だったことや、ガウディに関するさまざまな意味があるのではと言われています。
敷地内にはガウディがつくった学校がありました。子どもの教育にも力を入れていたのですね。
ガウディはミサに行く途中、段差につまずき路面電車にひかれて亡くなりました(享年73歳)。
この日は眼鏡を忘れたそうです。
後年、世界遺産になるような偉大で、神に捧げる教会をつくろうとした人間が、このような形で亡くなるとは…。
なぜ、神はガウディを救わなかったのか。
バベルの塔のように巨大な建築物をつくろうと、神に挑戦した人間に罰を与えたのか。
それは分かりません。