硬い長いというフレーズに反応する大学教授
私が通っている大学は地方にあり、知名度も偏差値も下に属する、いわゆるFランク大学である。
その為、授業も寝ている奴はいるわ、化粧をしている奴はいるわ、教授が話をしているのにも関わら
ず、ペチャクチャしているのが当たり前の光景である。
ただ、この大学にはテレビによくでてくる有名な教授がいる。その教授を目当てに入学してくる学生
も少なくない。
この教授の講義は、他の講義と比べて、静かである。教授が話すと皆、集中して聞く。
人気があることから、この教授の講義はいつも教室が一杯である。しかし、教授の凄さを分からず、
何となく受講している輩も多いのも事実である。
ある日の講義中、「えー、古代ローマ帝国における…」板書を終えた教授が振りかえって話し始めた。
たいてい、ざわざわしていた空気が静まりだす。
しかし、この日は違った。場違いな女子3人組がまだ、ペチャクチャ話している。
何の話か分からないが、食べ物系だと思う。
教授はかまわず講義をすすめる。この辺は流石ベテランだ。
教授「マルクス・アウレリウス・アントニヌスという皇帝は…」
女学生「それ、硬ーい」
教授の話が止まった。顔がピクピク動いている。
どんな状況でも動じず、ポーカーフェイスの教授には珍しい。
教授「えー、彼は皇帝だけでなく、哲学者としての顔も…」
女学生「ははは、おっきいよね~」
また、話が止まって、顔がピクピク動き出した。今度は顔も真っ赤になっている。
何とか講義を進めようと教授は続けて話した。
教授「彼の思想は、帝国が滅びても…」
女学生「それって、長いよね…」
女学生2「そうなのよ、硬くて、おっきくて、長いのよ~ははは」
また、顔がピクピクし、顔も真っ赤になっている。
明らかに動揺している。すると、
教授「長くて、硬くて、おっきいのが、それほどいいのか!」
急に怒鳴りだした。女学生達も話しているのは悪いと分かっていたが、なぜこんなにも怒られるとは
思わなかった顔をしている。
古代ローマ帝国の話から、マルクス・アウレリウス・アントニヌスから、哲学はどこにいった。
教授は何と勘違いしていたのだろうか。また、何かにコンプレックスがあったのだろうか。
それは分からない。