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その分野の権威(偉い人)、四字熟語を間違いすぎ…

ずっちゃん
ずっちゃん
2025年1月13日

新型の感染症患者が増大するに伴い、テレビ番組はこぞって新型感染症関連のニュースや特番を報道していた。

その分野の専門家、コメンテーターを配備し、様々な知見を提供していた。説明が分かりやすい専門

家はどの番組にも引っ張りだこで、朝から夜までどこかの局の番組に出ていた。

数か月すると専門家の顔ぶれも定まってきた。

つかえない、わかりにくい、説明が下手、からみづらい、などの専門家は淘汰されていった。

各局では、生き残った専門家の争奪戦が繰り広げられた。

そんな中、生き残った専門家達が一目置く権威が残っていた。

その分野では誰もが知っていて、尊敬されている人物である。

○○医療大学の名誉教授であり、著書は数知れず。

昨年も著書をだしたばっかりである。

テレビに出て、今が旬の専門家も、学生の時は彼の著書を読み、

大きな影響を受けた。

御年、80歳。

弁舌も鋭く、まだまだ現役である。

その権威がテレビに出演するという。

「○○先生がテレビ出るのだったら、皆さんそっちをみますよ」

「○○先生は様々な背景を踏まえてコメントするので説得力が違います」

などと今が旬の専門家達は白旗を上げていた。

そして、いよいよ権威がテレビに登場した。

白衣を着用し、ピンと姿勢が伸びている。

国民の誰もが、一向に減らない感染者の状況と

ありきたりのコメントにうんざりしていた。

解決策を!安心感を!

番組関係者は、その権威に大きな期待をしていた。

番組が始まった。

司会者と権威のやりとりが続く。

弁舌鋭く、分かりやすい説明だ。

ここまでは順調だ。

「よっしゃー!」

番組関係者は小さくガッツポーズをした。

「緊急事態宣言を解除することに対してどう思いますか?」

司会者は尋ねる。

「え~、時期そうしょうだと思います。そこには3点の理由があります…」

司会者は黙ってうなずいた。

「それでは、今後の政府の政策に対して…」

「え~、○○~○○でありまして、捲土じょうらいを期待しています」

「ここは、佐生うおうしていてもだめだと思います」

「専門家の意見も玉石こんとんとしています」

「正しい情報を…しゃしゅ選択する必要があります」

番組関係者の拳はゆるゆると力をなくしていった。

専門的なコメントはしっかりしていたが、

四字熟語がグダグダな権威だった。

ずっちゃん
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