小学生の頃、馬鹿にされていた奴が、20年後、インドで神になっていた!
小学校のとき、クラスメイトのK君は周りから馬鹿にされていた。
彼がもたらす様々な要因(容姿、成績、運動神経……)がその理由なのだが、その中で一番はホラ吹きということだろう。
「俺は神の子だ!」
「昨日、ゼウスが夢に出てきた」
「それはキリストのお告げだ」
などと、休み時間や放課後に皆と遊んでいる時、そんなことを言ってくるので
皆、彼を遠ざけ、いつしか遊ばなくなった。
成績も容姿も悪くて、高校は底辺校に入学したが、こんな調子だからヤンキーたちの
からかいに耐えられなくなって学校を辞めたそうだ。
そこからずっと音信不通だった。
20年後、ふとBS番組をみてみた。
そこではインドにおける宗教の特番をやっていた。
インドといえば、ヒンドゥー教が大勢を占めているのだが、
今、新しい宗教が人々の間で信仰を集めているそうだ。
その教祖が日本人だと報道していた。
その日本人が歩くと皆、ついていく。
まるでガンディーの「塩の行進」みたいだ。
ガンディー以来、こんな影響力を及ぼす人間は初めてだそうだ。
彼が動けば数億人が動く。
彼が涙すれば数億人が涙する。
彼が踊ると、皆踊る。
なぜそこまで信仰をあつめているのか。
それは彼の言動、振る舞いだそうだ。
ガンジス川のほとりで、その日本人教祖が静かに瞑想していた。
その周りを何千人のインド人が囲っていた。
テレビカメラが近づく。
俺は、その顔に見覚えがあった。
それは、小学生の時、散々バカにされていたK君だった。