私の会社に慶応大卒の新入社員がいる。

私の部下になって８か月、完璧に仕事をこなしてくれる頼もしい奴である。

見た目もイケメンだし、背も高い、ガッツもある。

ラグビー部の主将を任され、リーダーシップもある。

中国語、英語を自在に操り、この間は数千万の商談をまとめてきた。

また、性格も謙虚で素直なので、皆から可愛がられている。

全てにおいて、完璧。

こういう言葉はたくさんの部下を抱えている私にとって

あまり使いたくない言葉だが、やはり彼には当てはまる。

そういう人間だ。

いずれ私を追い越してトップになるだろう。

そんな彼に仕事上の不満はないのだが、

一つ気になることがある、、、、

ちょうど、彼がデスクワークしているので試してみよう。

「中村君、ちょっといいかな」

パソコンと睨めっこしている彼を呼んだ。

「はい、課長！」

返事も完璧だ。体育会で鍛えられただけある。

「○○商事との商談、どうだ、状況を教えてくれ」

「はい、わが社の技術には不満を持っていないのですが、キーパーソンの○○部長が

　中国の○○公司の許ＣＥＯとつながりがあって、進展していないのが現状です」

「しかし、大丈夫です。許ＣＥＯはいずれ失脚します。アラブの先物取引で４０憶くらいの負債を抱えたみたいです。関係者から情報を得ています」

「分かった。しかし、油断するなよ。慎重にな！」

「はい！課長！」

ブー

彼は屁をこいて、私の前を立ち去った。

これなんだよ。彼は必ず屁をこいて、立ち去るんだよ！

なんでだ！あれだけ、完璧なのに！

これで何百回目だぞ！

しかも、ブッと遠慮がちの屁じゃねんだ。

ブーと数秒続いたいる屁なんだ。

それは己の存在を誇示しているようなんだ！

他の人にはこかないんだ。俺の前だけなんだ。

なぜ！