爆発、暴動、何があっても大丈夫と言うレポーター…
テレビを見ていると、アフリカのある国で大暴動があったというニュースが飛び込んできた。
アフリカは民族に関係なく国境を引かれているため、
水路や土地に関わるいざこざは毎日のように起きているそうだ。
しかし、このような大暴動に発展した理由にはトップである大統領の判断があった。
どちらかを優遇すればどちらかが被害を被る。
それを大統領はやってしまった。
被害を被った地域の人々は大挙首都に押し寄せた。
警察、軍隊もその地域出身が多かったため、
同情し何もしなかった。
暴動はヒートアップしている。
当然、日本のテレビ局も電波に流す。
邦人も多く、付き合いも長い国ということもあり、
すぐ、緊急速報として発信した。
現地レポーターは紛争を中心に取材している
フリーランスだ。
いかつい顔、髭、逞しい体…
さすが紛争地域を取材しているだけある。
「現地レポーターの佐藤さんにつなぎます」
「佐藤さん!そちらはどのような状況ですか?」
「はい、現在大暴動が発生して2時間ほど経過しますが、
どうやら数千人が亡くなったようです」
「数千人ですか!物凄い数ですね」
「はい、当初は民族問題だったものが、
政府への不満を抱えている民衆も多く、
大暴動に発展しました」
「政府はおさえられないのでしょうか?」
「はい、いま……はい、大丈夫です」
佐藤さんの後ろでは銃撃戦が行われている。
血を流し、人が倒れてた。
まるで戦争映画をみているようだ。
「佐藤さん、大丈夫ですか!危険です。離れてください!」
アナウンサーは取材はもういいから、現地を離れてくれと
必死に懇願する。
しかし、佐藤は平然とマイクを握る。
「えー、大丈夫です。アラ族とキラ族の戦いに…」
淡々と状況を説明する。
今度は爆発が起き、後ろの建物が崩れた。
「佐藤さん。もういいので非難してください」
「えー、大丈夫です。先ほど海外の取材を担当していた私の友人が死にました」
「周囲のテレビ関係者は続々亡くなっています」
佐藤を映しているカメラマンは震えている。
テレビ画面がブレブレだ。
プロのカメラマンも恐怖で一杯だ。
その時、佐藤の近くに爆弾が投げられた。
佐藤とカメラマンは吹っ飛んだ。
佐藤さん!佐藤さん!佐藤さん!
アナウンサーは必死で尋ねる。
テレビ局には電話が殺到している。
佐藤は何事もなく立ち上がた。
「大丈夫です。えー現地では今…」
レポートは続いていった。