トルコ旅行記⑰~アヤ・ソフィア~
トルコ旅行の中で一番来たかった場所に到着しました。
キリスト教とイスラーム教の対立の最前線
東西文明対立の象徴
数多の抗争を経て、消滅してもおかしくなかったのですが、
今、目の前に存在しています。
アヤ・ソフィア(ハギア・ソフィア)にやってきました。
「ハギア・ソフィア」とはギリシア語で「聖なる叡智」を意味しています。
その中世の発音「アヤ・ソフィア」がトルコ語名「アヤ・ソフィア」の由来となっています。
ここではアヤ・ソフィアで統一していきます。
現在のアヤ・ソフィアは、532年に起こった「ニカの反乱」によって焼失した聖堂を
537年ビザンツ帝国のユスティニアヌス1世が再建したものです。
全長82m、幅72m、高さ55m、本当に大きな聖堂です。
総主教座としてキリスト教世界のトップに君臨していたアヤ・ソフィアでしたが、
1453年、オスマン帝国によって首都コンスタンティノープルが陥落させられました。
イスタンブールと改称された都市は、キリスト教会からイスラームモスクへ改造されました。
聖堂内を飾っていたモザイク壁画は漆喰で塗りつぶされ、イスラム教のミナレットやミフラーブ、
預言者ムハンマドの名が書かれた円盤などが設置されました。
円盤の裏はこんな感じになっています。
下の写真は「聖母子と皇帝ヨハネス2世コムネノス、皇后イリニ」とよばれるモザイク画です。
ヨハネス2世コムネノスはビザンツ皇帝のなかでも名君と評されています。
1122年から1134年頃の作品と言われています。
下の写真は「デイシス」と呼ばれるモザイク画です。
下部がほとんど失われています。
南側の窓から入る光を効果的に利用するという工夫が施されているため、ビザンツ美術の最高傑作と
評されている作品です。
アヤ・ソフィアは1935年から博物館として公開されています。
しかし、2020年7月10日、トルコ政府は、アヤソフィアをモスクにすることを発表しました。
モスクとして集団礼拝ができるようになるみたいです。
この政策に対しては国内だけでなく、各国から批判を浴びています。
エルドアン大統領は、誰もが訪問できるようにし、アヤソフィアの文化的価値は守っていくとしてい
ますが、トルコの情勢によってどうなるか心配ですね。