インド旅行記⑥~幻の都市ファティープル・シークリー~
ここは、ムガル帝国第3代皇帝アクバルによって建設された都市です。
なぜ建設されたのか。その理由が面白いです。
当時アクバルは跡継ぎに恵まれませんでしたが、この地に住むイスラーム教の聖者に世継ぎの問題に
ついて相談したところ、王子が誕生したらしいです。
感動したアクバルは、記念としてここに新たな都を造り、アグラから遷都しました。
しかし、深刻な水不足があり、都として機能したのは、たった14年間だけでした。
下の写真はパーンチ・マハルと呼ばれる五層の建築物です。
壁がない建築物のため、遊戯、納涼、展望のための施設でした。
皇帝は、ハーレムの女性をチェスの駒にみたてて、前の広場で遊んでいたみたいです。
よくみると、碁盤の目のようになっているような?ないような?
下の写真は、ディーワーネ・アームと呼ばれるところです。
皇帝と国民が接する開放的な建築物です。
庭園の緑も整えられていて綺麗ですね。
野良犬がいます。すぐ寄ってくるので怖かったです。
小型犬ならまだしも、大型犬で舌を出して尻尾をふってきても…
ちゃんと狂犬病の注射打っているのかな?
ここでは、屋根や庇などの木組みを石で表現したような造りが見られます。
これらは古くから仏教やヒンドゥー教の石窟寺院などに見られたもので、
アクバルの宗教融和策の意思が感じられます。
下の写真はディーワーネ・ハースと呼ばれるところです。
皇帝の私的な謁見のための建物です。
2階の吹き抜けに対角上のブリッジを掛け渡しています。
ブリッジの交差部分にアクバルが腰掛け、1階で諸派の賢人知者が議論するのを見ていたらしいです。
蜂の巣のような装飾品ですね。なぜここが世界遺産になっているかというと、ヒンドゥーとイスラー
ムの建築様式が融合しているからなんです。
数あるインドの世界遺産の中で本当に珍しい世界遺産です。